1922年、大正11年に大河津分水が通水するまでは、こうした広大な遠隔地での気候が信濃川下流域の生活に大きな影響を与えていた。大河津分水完成後は増水の大部分が分水路から直接日本海に放出されるようになり、下流域における広大な洪水の影響は少なくなった。しかし、大河津分水地点よりも下流に流入する刈谷川や五十嵐川などの流域に短時間に集中した降水がある場合は信濃川下流地域は増水の影響を受ける事になる。これまで記録に残っている大きな洪水は、3月から4月の融雪期と7月から10月の大雨の2つに分けられる。融雪期の洪水は、低気圧が日本海通過してフェーン現象となり、気温が上昇することによって融雪が進むと同時に、降雨が加わり発生しやすい。融雪による出水はゆっくりと長期間にわたるため、河川の水位もこの間ずっと高い状態を続け、これにある程度の降水が加わると洪水になる危険が高くなる。大雨による洪水は、梅雨前線や秋雨前線、台風などに伴う集中豪雨によって発生する。信濃川流域に流入する五十嵐くらいの川で降雨の中心時間から最高水位になるまでの時間は3から4時間で、大雨が降ればすぐに高水位になり、洪水の危険が生ずる。